2014/03/07

「旅ノート」より #2 (1994/9月)




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朝からの雨音を耳澄ませ聴いている
窓辺に置かれたステンレスのコップと皿に
滴がテンポよく高い音を続ける

窓から飛び出すように青い煙は逃げてゆく
目を瞑れば自分の居場所など
どこでもいいような気になってくる
濡れはしない雨の中 ただただ雨の中

目を開ける 雨空を眺める 雨音を聴く
しばらく瞬きをしない
我慢できなくなって また目を瞑る

光の残像 点滅している
雨音に点滅している

雨の中 あっという間に
世界の昼は過ぎてしまう








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