2009/01/14

Dhamaal -Overload









[Overload]はパキスタンのフュージョンバンドである。
パキスタン・スーフィーに欠かせないDhol(両面バチ打ち大太鼓)による
古典的 Sufi Beatとシステムドラムやジャンベ、マラカス、
キーボード、ベース等によって構成する現代音楽との融合が
コンセプトになっている。

楽曲のタイトルになっている「Dhamaar」=ダンマールとは
パキスタン・スーフィーにおいて「踊り・踊る者」という意味で用いられる他、
Beatとしての名前・種類でもある。
Sufi儀式においてダマリ(踊り手)はこのビートを合図に踊り始める。


ビデオクリップはメンバーのそれぞれの音を貼り合わせるように、
それぞれのDhamaarが展開するかのように繋ぎ合わせられている。

素晴らしい仕上がりである。
インド、パキスタン本来の執拗な
ねじ込みのない感じで作られているところがいい。


このビデオクリップのメンバーは
Overload結成時の初期のメンバーである。

ドール:Pappu Sain & Jhura Sain。
システムドラム:Farhad Humayun
ジャンベ・マラカス:Hassan Mohyeddin
ベース・キーボード:Sheraz Siddiq

勿論、中心人物は何と言っても
パキスタンのDhol奏者で有名なPappu Sain。
現在は「Qalandar Bass」というユニットで活動しており、
OverloadでDholを演奏しているのはPappu Sainではなく
弟子のNassar Sainが担当している。

Overloadが出現するまで、
パキスタンにおけるSufi Dholはその演奏形態において
イスラム教に根付いた土着的思想・儀式の範囲を
超えることはなかった。
その長き垣根を飛び越えてSufi Dholを
音楽マーケットに乗せたのがOverloadであり、
Dhol奏者Pappu sainであった。

Pappu Sainは語る。

「音楽に携わる者こそ、どんな音楽にも敬意をはらえ」

「Overload」及び「Qalandar Bass」の完成度の高さは
先の言葉に滲む意識レベルの高さだと私は思っている。











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