YouTubeより[Chen chell]。
演奏しているのはGonga Sainの弟、
Mithu Sain(奥右)と弟子(奥左、私にとっては兄弟子)のShabeer sain。
Sainとは周囲がmeisterとして認めた者への称号である。
そして歌うのはBobby Khan(中央)。
Bobby KhanももはやSainの仲間入り時期だろう。
タブラを代表とするインドの打楽器には
Beatの解析図として「ボール」というものがある。
勿論、パキスタンのSufiに欠かせないDholという
両面バチ打ち大太鼓もタブラ同様、ボールがある。
もともとDholはパキスタン独自の楽器ではなく、
インドの楽器であり、発祥はバングラデッシュだ。
バングラデッシュはその昔、東パキスタンであり、
そのもっと昔はインドだった歴史的経緯がある。
私は2003年にパキスタンにてDhol奏者に弟子入りしたが、
3年間、楽器に触れさせてもらう事なく、
ただひたすらに演奏のために、そのBeatの解析図=ボールを
訓練する事になった。
1時間=いくら、というようなタブラ教室にインドで通えば
まず演奏方法として幾つかのフレーズの叩き方しか教えてくれない。
しかし、もし本当にインドの打楽器を演奏したくて、
またその路を追求したいならボールから訓練しなければ
確実に路は開けない。
さて、それでは
このFilmの歌とDholは何拍子=何Beatか
お解りになるだろうか。
さらに答えを知った上でそのテンポについて来れるだろうか。
テンポを考慮しながら数を数えるという事は意外にも難しいものだ。
答えは7拍子=7 Beat。
この演奏は緻密な計算の上に成り立っている。
ちなみにタイトル[Chen chell]チェンチェルとは7拍子のことを指す。
演奏者のMithu San、弟子のShabeer sain、歌い手のBobby Khanは
Gonga Sain' familyである。
家長のGonga Sainが歌に合わせてDholを演奏していないのは
Gonga Sainが聴覚障害を持っているからだ。
それでもGonga Sainは弟のMithu Sainと神業のようなDhol演奏を
常日頃、聖者廟で繰り広げている。
そんなGonga Sainとfamily達の演奏。
Sufi Beatの代表、Dammar Beatだ。
Gonga sain(中央)とMithu Sain(右)は私のDholの師匠である。
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