2011/07/18

[requiem] -gramali's sound #11


















*音楽配信サイト「VOON」サービス終了のため
 SoundCloudより配信 (2013/10/15)


サイトリニューアル後、
初のgramali's sound。

タイトルは [requiem]。

2009年、ある嵐の夜
生まれたばかりでありながら
親から見放された一匹の子猫が
雨の中、必死に
命の在処を叫んでいた。
消え入りそうなその子猫の声を聞きつけ、
友人がその命を預かることになった。

子猫を拾ってきた、
これから育てて行こうと想う、
と友人からの連絡を受け、
私が実際に子猫に会いに行ったのは
嵐の夜から一週間後だった。

手のひらにのるほど小さいその子猫は
Анастаси́я(アナスターシャ)と名付けられた。

それ以来、友人宅に遊びに行くことは
Анастаси́яに会いに行くことでもあり、
楽しい時間を過ごした。
代々木のイベントでも看板猫としてみんなに可愛がられ、
檜原では野生を輝かせ山中を駆け巡った。

先月末、
朝、友人から突然の連絡を受けた。
Анастаси́яが朝方家の前で車と衝突して即死した、
との連絡だった。
23ヵ月の短い命ではあったが、
あの雨の日にひっそりと死んでしまわず、
その後の23ヵ月を過ごせたことは奇跡だったに違いない。

友人もАнастаси́яのおかげで
それまで感じたことのない様々な感情が芽生え、
多くのことを学ぶことができたと語った。


[requiem]は
Анастаси́яが生まれ
その後
雨の中で取り残され、
友人に拾われるまでの
きわどい時間を想い描いて作った。
是非、ヘッドフォンで。


そして
友人は数日前、
再びきわどい一瞬ばかりが連結した
地球Cへと旅立った。

素晴らしい時間を過ごせること、
素晴らしい写真が撮れること、
そして無事に帰還することを
心から願っている。

















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