ガナパティ

それなりに
長い長い道を歩き
旅してきた

でも明らかに
これまでを振り返り
想うなら

それはあまりにも短く
まるで刹那だった


インド大聖地の一つ、
オームカレシュワで
ガナパティと誰もから呼ばれていた修験者が
私のクリスタルチロムに火が点った時に
遠い目のままそう白状した。

そんなあたり前の言葉が
私はとても嬉しかった。


呼吸と重なるクリスタルチロムが
白状させた以外の何ものでもないそのセリフは
妙にあったかさんだった。