2012/03/11

31,556,926秒後






















あの日から
一年が経った
31,556,926 秒という
時点が刻まれた

連結された

時間は常に
「今」を意識できるヒトの中で
当たり前のように
確実に進み続けるだろうが

時を忘れたヒトにとって
あの日から
変化の様子が在ろうが刻まれようが
心の中身は
実は何も変わっていなかっりする

心の中で先に進むヒトには
時を伴い何かが変わって行くことが
見えるかもしれない
しかしながら心の中で先に進めず
時を置き去りにしたままのヒトには
変化の様子を味方につけることもできず
変わろうとすることの意味さえ
無意味に見えるかもしれない

被災したわけでない私でさえ
あの日のショックを引きずってる
当たり前さ
あの日からその後の一連の物語は
言わば革命的だったから


想い出が聞こえる

想い出が聞こえる
革命が
想い出として
聞こえる
振るえる大地が聞こえる
雄叫びを放つ波が聞こえる

想い出が聞こえる
溜め息が
想い出として
聞こえる
放射能が飛び散ったのが聞こえる
焦りに満ちた様々な声が聞こえる

想い出が聞こえる
驚きが
想い出として
聞こえる
宣伝が一種一色だったのが聞こえる
疑心暗鬼が高らかに聞こえる

想い出が聞こえる
恐怖の再現が
想い出として
聞こえる
余震のたびに鳴る携帯音が聞こえる
トラウマとストレスが混ざり合うのが聞こえる

想い出が聞こえる
非日常が日常になるのが
想い出として
聞こえる
一斉に痛みから逃れようと企んだ声が聞こえる
一斉にそれに乗ろうと働きかけた声が聞こえる

想い出してほしい
聞くことのできないヒトがいる
聞こうとできないヒトがいる
想い描いてほしい
心の中で時を忘れたまま
迷う旅をしているヒトも未だいることを

想い出が聞こえる

あれから
一年が経ったよ

変わった何か
薄れた何か
色濃くなった何か
何も変わらない何か

何かはあるが
何かが残るが
何かを忘れかけているが
何かが壊れてしまったが
何もかも失ってしまったが

時を見つめられるなら
変化の様子を感じられるなら
感じようとするならば
でかけよう

歩こうとしよう

さぁ、でかけよう
少なくとも
旅はいつまで経っても
終わらないのだから

いつまでも
いつまでも
生かされているうちは
まだまだ
続くのだから


おそらく
たとえ
肉体を脱しても魂の旅は
まだまだ
続くのだから









あらためて
ご冥福をお祈りします


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