2012/03/23

Badar Ali Khan with Shagird -[Japanese Fusion/Shane Qalandar]















*音楽配信サイト「VOON」サービス終了のため
 SoudCloudより配信 (2013/10/16)



昨日のバダル・アリー・ハーンの約2時間のライヴ。
序盤に歌った「幸せなら手を叩こう」
ラホールでもよく聴いていたが、
日本人ばかりの会場での盛り上がりは際立っていた。

2005年、
私と妻がラホールで楽士の弟子として過ごす中、
ポロ馬を買い取り、リヤカーでパキスタン北部を旅した
日本人の若者が再びラホールに舞い戻ってきた。
後に「幸せなら手を叩こう」のカウワリー・バージョンを考案した男だ。
彼から弟子入りに関する相談をされ、
パキスタンで楽士に弟子入りすることの現状を話した。
インドによくある楽器教室に通うのとは全く違うからだ。
でも彼は弟子入りを決めた。

バダル・アリー・ハーンのカウワリーグループで
タブラを習うことにしたのだ。
彼の弟子入りの儀式はダーター・ダルバールで行われ、
その後は家族の一員になるところから始まった。
ビザの有効期間のすべてを弟子生活に使い、延長した後で
彼は何かしらの形を残すことで彼らに恩返ししたいと考え始める。
当時、日本人旅行者も多かったラホールで
カウワリーをもっと身近に感じてほしい、
そしていつの日かバダル・アリー・ハーンのグループが
日本でその歌を演奏してくれることを願い、
「幸せなら手を叩こう」のカウワリー・バージョンを作り、
同時にカウワリーのスタンダード曲において
日本語歌詞を入れたミックスバージョンを完成させ、
更にラホールでスタジオレコーディング収録を試みた。
7年前の話だ。

昨日の「幸せなら手を叩こう」は
7年という月日を越えて、
彼の願いが現実として実った一瞬だった。

直前にバダル・アリー・ハーン・グループの来日を知らせる
メッセージを彼に送った。
九州で新たな人生の試みに挑戦している彼から
「おめでとう」と伝えてくれという返信が届いた。
演奏が終わり、それを伝えると
子供のように顔をくしゃくしゃにして
バダル・アリー・ハーンは喜んでいた。

時を経て一つの物語を見届けることができたことに
私も妻も感謝の気持ちで一杯です。
村山先生、サラームさん、
昨日の宮廷講に携わったすべての人達へ、御礼申し上げます。

ありがとうございました。










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