2012/04/14

隙間
















潜入した先は
不可思議なところだった
そこはあらゆる欲と感情が
バランスを失い
常に欺瞞と恥が上書きされる
魔界のような「娑婆」という名の現実だった

「娑婆」は
真実など
在るようで無く
無いようで在り
在ること無いこと
その意味さえ曖昧な世界だった

私はそんな曖昧な世界に潜入し
直感を信じながら
すべてを覆す
スイッチを探し始めた

世界が覆されるスイッチは
どこかその場所に行けば
見つけられるものではなかった
場所とうより、
隙間にしかないことを知ったのは
今から10数年前のことだ

世界を変えることは誰にも出来やしない
世界を変える前に
自分が変わろうとする
努力と知恵を積み重ねることの方が
有意義であり
またその中でそのための隙間を見つけることの方が
本当に世界を根こそぎ変えることよりも
現実性を帯びている

目に映る世界を変えようともがくより、
世界の見方を変えながら目に写し
脳味噌に焼き付け
心に蠢く興奮の隙間に手を伸ばすことの方が
楽しいのと何ら変わりはない

















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