2012/05/23

@ West gate park 〜望月 薫〜















土曜日、AM2:30~
私はまたコンデジを持って夜の街に繰り出した。
夜にしかない光源に浮かび上がるものの中で
突然、吸い込まれるように
目に焼きついてくる何かに出逢いたくて彷徨う。

ひたすら2時間ほど歩き続けた後、
コンビニで缶酎ハイと五目焼き飯おにぎりで一休み。
おにぎりはとても懐かしい味がした。
鍵っ子だった幼い頃、よく昼食にと用意してくれた
お袋の懐かしき焼き飯の味だった。

再び歩き始めた時には
空がうっすらと明るくなり始めていた。
ウエストゲートパークへ向かう。

その手前で
一人のストリート・ミュージシャンが歌っていた。
カメラを向ける前に歌っていた楽曲に惹きつけられる。
いい、わるい、ではなく、私はその曲が好きになった。
そのままその場に座り込み歌を聴いた。

ストリート・ミュージシャンの名は 望月薫。
傍らには半路上生活者の通称スギさんがいた。
スギさんも薫の歌に惹きつけられその場に座り込んでいたのだ。
歌が終わり3人でしばらく話し込んでいると、
どこかで呑んで帰る途中の千鳥足の男がふらりと参入してきた。
ユウキと名乗ったその男はインディーズで活躍するラッパーだ。

音楽の話、故郷の話、人生の話、旅の話、
すでにiTunesやレコチョクで楽曲を配信している人気ラッパー20代、
ギターの弾き語りに己の可能性を試みるストリート・ミュージシャン30代、
何の形も残せないまま未だに歩き続けようともがく旅人40代、
公務員として働いていた過去を笑い飛ばす半路上生活者60代が
道ばたに座り時を忘れて語り合うその姿は
生まれたての朝の中では異彩であったに違いない。

スギさんがコップ酒と唐揚げを買ってきてみんなに配る。
そしてもう一度あの歌を歌え、と薫にけしかけた。

望月薫は再び、力強く
「歌が好き」
歌い始めた。










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