2012/07/04

ジョラ











猫たちが寝ている
不安も恐怖も感じない
やすらかな顔のまま
猫たちが寝ている
二匹の寝息は静寂の中
耳をすませても聞こえない
規則的に腹が動くことだけが
呼吸の証となる

また巡ってくる
あの命日祭と
祭りの後から始まる路が
心を支配する時期が
また巡ってくる

想い出の中でも
想像の中でも
私と仲間たちが
あの砂漠を歩く時にあるのは
路を行こうとする意志だけ

脳味噌までもが溶けてしまうような
熱風に吹かれれば
感覚も意識も経験も
結局は使い物にならなくなる
意志だけが肉体を動かす

目の前にある風景に同化できるか
もしくは何者にも同化しないか
どちらかができていれば
心の安定は保てる


今、私の座るそのすぐ横で
寝ている猫たちのように
心の安定は保たれる












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