2012/08/19

Night Scope #25 〜越境流民・魚醤の女〜














タイ北部に長居してる頃に
随分と世話になった友人の短編小説
[越境流民・魚醤の女]を読んだ。
小説の舞台は私も大好きなタイ北部の田舎だった。

そこにはメコン川が流れ、
対岸のラオスの森の奥から赤い月が昇り、
眩しいばかりの妖艶な花々が咲き乱れ、
鮮やかな蝶々がヒラヒラと飛んでいて、
インドから帰ってきたばかりの
気が狂れた私や友人にとっては
隔離された精神病院の恐ろしく広い中庭のような所だった。

友人は修行者である。それは昔も今も変わらない。
友人ほどのストイックな暮らしはできないが、
私も修行の路を未だに歩いている。
友人と二人でタイ北部の田舎で過ごしていた頃から
約15年という時間が過ぎた。

久しぶりに読んだ友人の文章に私はとても刺激を受けた。

まだまだ旅は終わらない、
物理的な移動という意味における旅ではなく、
目的のために必要な自由という心の舞における旅、
友人もまた「旅の使い」だったのだ。














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