2009/09/30

Bambi Saidi [Latcho Drom]









[Latcho Drom]はジプシー音楽と文化を追いかけた
ドキュメンタリー作品。
1993年カンヌ国際映画祭<ある視点>部門賞、
1996年全米映画批評家協会賞NSFC賞を受賞している。


監督・脚本はアルジェリア出身のトニー・ガトリフ。
彼は自らの血の源であるロマ(ジプシー)民族を映画に撮り続ける。

今からおよそ1,000年ほど前、
インド北西部を出発した流浪の民、ジプシー。
彼らの長い放浪の旅は、エジプト、トルコ、ルーマニア、
ハンガリー、スロヴァキア、フランス、
そしてスペインなどを経由した。
彼らは独自の言葉であるロマ語を話し、文字は持たない。
自らの歴史を語ることもなく、独特の生活様式を保持し続けた。
それゆえに、長きに渡って幾多の迫害に遭い、虐げられ、
苦しみながらも生き抜いてきた民族の一つである。

しかし彼らは文字の代わりに、音楽と踊りで歴史を刻んできた。
時には喜びを、時には哀しみを、民族の誇りを歌にこめて。
流浪の民でありながらも、彼らは確実に、歩んだ地に
足跡を残していったのである。

[Latcho Drom]はジプシーの民族史ともいえる”音楽”を通して、
彼らの生命力と民族の強い絆を明らかにした映像叙事詩である。
彼らにとって音楽とは、生きる喜びであり、魂の叫びである。


今回から数回に分けて[Latcho Drom]の映像と音楽を
配信したいと想う。

まずはBambi Saidiより。




















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