2010/02/05

[これで十分] -ナナオサカキ





*音楽配信サイト「VOON」サービス終了のため
 SoudCloudより配信 (2013/10/15)





今回、音源配信サイト「VOON」から
配信するのは、伝説の詩人=ナナオサカキ の [これで十分]。
音源は2007年7月7日、代々木公園野外ステージで開催された
「7月7日ナナオの日」より。
レコーディングは私自身がステージ最前列でマイクを向けた。

2008年12月、ナナオサカキ長老は再び宇宙へ旅立った。



( 写真クリックで拡大)





生涯 旅人だった詩人のナナオサカキ長老が星に還った。

最後にナナオ長老とお会いしたのは
3年前のアースガーデン夏だった。
その日は「2007年7月7日、ナナオの日」と題された
長老のポエトリーリーディングが行われたのだ。

少し痩せた長老の姿がそこにあった。
それでもリーディングが始まると
長老はまるで少年のように笑い、
そこに集まった大勢の若ものを惹きつけた。


長老が最初に多くの人に知られるようになったのは1960年代の新宿だった。
50年代アメリカ西海岸を中心に巻き起こったヒッピームーヴメントは
1960年の安保闘争が終焉した日本に飛び火していた。

従来の権威を否定し、新しい精神の在り方を模索しようとする
多くの若者達が新宿のジャズ喫茶などに集まってきたのだ。
そして彼らの中の一部は、日本国内や海外を放浪し、
やがて「部族」というコミューンを結成した。
後に日本のヒッピーの元祖と呼ばれるこの「部族」のリーダーが
ナナオサカキ長老だった。


それほど長く、そして深く長老と何かを語り合ったことはないが、
私の中にも様々な長老との想い出の場面がある。

長老の詩に曲をつけて歌っていいか、と尋ね
どんどん歌いなさい、と笑いながら肩を叩かれたことから
イベント会場の便所で再会し、並んで用を足した些細なことまで
鮮明に想い出すことができる。


「これで十分」は私が初めて出逢った
ナナオ長老の詩だった。




「これで十分」



足に土

手に斧

目に花

耳に鳥

鼻に茸

口にほほえみ

胸に歌

肌に汗

心に風

これで十分



“Just Enough”



Soil for legs

Axe for hands

Flower for eyes

Bird for ears

Mushroom for nose

Smile for mouth

Songs for lungs

Sweat for skin

Wind for mind

Just enough













2 件のコメント :

  1. いい詩ですね。

    ただ、英訳はもう少し原文を忠実に訳した方がいい気がします。ただ、直訳英語を当てはめても同じ意味にはならないし、無味乾燥になってしまいます。

    英語を母国語とする出来たら詩人かアーティストの協力を求めてみたらよいでしょう。

    ゾウ

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  2. >ゾウさん

    コメントありがとうございます。この記事の最上部に貼りつけてあるVOON Playerを聞いて頂くと解ると思いますが、私が英訳したのではなくて、詩人ナナオサカキのオリジナルの英訳文です。ヨーロッパ各国、アメリカと様々な国で朗読していたナナオサカキは英語はペラペラでしたし、ナナオの感覚が英訳にも現れていると思います。VOON Playerでは英訳部分も朗読しています。

    gramali

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