2012/08/30

Night Scope #27 〜越境流民・国境のパシリ〜














タイ・ラオス・ビルマ 3つの国境が折重なる
「黄金の三角地帯」から東に数キロ離れた
タイ北部の小さな村を舞台に展開する小説、
[越境流民]の第二話「国境のパシリ」が届いた。

筆者は友人の住香 盤 (ペンネーム)。
主人公ヒロシの旅の軌跡が
筆者の実体験から時を越えた心の旅として描かれている。

話の舞台になっているその小さな村で数年にまたがり
筆者と共に過ごしたことがある私にとっては
小説 [越境流民]は確かに小説でありながらも
限りなく紀行文に近く、そのような想いにおいて
近頃の紀行文でこれほどまでに強く
侘び寂びを感じることのできる書籍があっただろうか、
と感慨に浸ってしまう。

そして今回の第二話「国境のパシリ」も実に楽しませてもらった。
書籍を読むうえでの私の癖は文章が面白ければ面白いほど、
スローモーションでその文中風景を描き、確かめるように
何度もセンテンスを繰り返し読んでしまう。
だから基本的に私は読むのが遅い(笑)。
面白くてすぐ読んじゃった、と皆が言うのを聞くが、
私の場合は面白ければ面白いほどすぐ読めないのだ。

第二話を読み終えた時には
2時間もののドラマを見たような感じ。
頭の中で勝手に映像化して楽しむこともできたのである。













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