2012/11/21

ジュライホテル





(Photo by iPhone)







今や廃墟になってしまったバンコク・ヤワラー、
7月22日ロータリーにある伝説のジュライホテル。

売春、ドラッグ、警察へのタレコミ、長期日本人旅行者の派閥闘争など
悪い噂ばかりが広まる中、1995年頃に閉鎖された。


私はカオサンの住人で
決してジュライの住人ではなかった。
それでもジュライには数回、宿泊したことがある。
友人で作家の住香 盤に誘われて宿泊したのが最後のジュライだった。

住香 盤はジュライの住人だった。
だからこそジュライの閉鎖を予期していて最後に私を誘ったに違いない。

ジュライの部屋にはどの部屋の壁にも
たくさんの長期旅行者達の落書きがあって、
その落書きは言わば当時のゲストハウスたるところで
旅行者の誰もが目を通す情報ノートのようなものだった。

私が最後に過ごした部屋の壁のど真ん中には

いきなりダイオキシン!!

と太字で書かれていて
私は大爆笑したのを今でも覚えている。

ど真ん中に書かれていたそのタイトルの下には
虫眼鏡でないと見れないような小さな文字で
短編小説並みの物語が書かれていた。

それは切なく哀しくも、
書いた本人の素直さが伺えるような物語で
羨ましいとさえ想った。

それから何年か経ってカンボジアを訪れた際に
私はその部屋で日本人がお亡くなりになった事実を
ジュライの住人だったという旅人から聞かされた。










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