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水面の欠片 #9
ずいぶん水が汚れたなぁ、
散歩する人がつぶやく。
斜めに差し込む幽かな夕日に
ほんの少し照らされた水面。
それは街のネオンに薄く浮かび上がる
路地裏のようだった。
夜が水面に息衝いた。
さぁ、帰ろう。
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水面の欠片 #8
うっすらと青く鈍い
その水面の空は
訪れようとする
冬を想わせた
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水面の欠片 #7
映す世界と
映る世界は
水面を堺に
すべてが一つの
模様のように
見えることがある
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水面の欠片 #6
さざ波に
溺れげになる
水面の風景は
涙に覆われた
風景のようだ
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水面の欠片 #5
その水面には
浮き草があり
樹の影があり
空と雲があり
近寄った私の顔があり
横で笑う君の顔があった
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水面の欠片 #4
「水面」ひそやか
「色」浮かべ
「生」証し
「大気」想わせる
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水面の欠片 #3
それは自身から湧いているのか、
それとも他から植えつけられたものか、
世代か、風習か、イメージか。
どこから来るのかおぼろげで
幽かな懐かしさ。
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水面の欠片 #2
だれかさんが
だれかさんが
だれかさんが
みつけた
ちいさい秋
ちいさい秋
ちいさい秋
みつけた
(詩:サトウハチロー「ちいさい秋みつけた」)
何となく口ずさんだが、
その先の詩を想い出すことができなかった。
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水面の欠片
水面に映るすべてに心惹かれたわけではない。
一瞬の、ほんの一欠片に
突然、吸い込まれたような不思議な感触があった。
見つめ続けていると
その水面の欠片は私の中で
まるで違う別の何かに変化するようだった。